のぶろぐ

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アステリア島物語の感想

重い腰上げてルナティッククリアしてきました。
この手の調整に慣れていることもあり、最高難易度でも難しくはなかったです。
去年の5月に25章まではやってましたが、飽きて放置してました。
攻略していて面白みを感じなかったのが理由だと思います。
5段階評価だと、何も考えずにつけるなら☆4、製品化できるレベルを☆5として置くなら☆3くらいの作品です。

まず最初に、クラシックだけど遊びやすいSRPGではなかったです。

自分が考えるクラシックなSRPGは、プレイヤー側に戦略を考える余地が用意され、プレイヤーによっては攻略方法が大きく変わってくるものです。なので、自分でプレイするだけでなく、人がプレイするのを見るのも好きです。特に気に入ったものは、攻略法を変えて何周もするくらいです。
このゲームの場合、固定成長だからというのもありますが、想定レベルに合わせて調整されすぎているため、誰がやっても大筋は似たような攻略になると思います。2周目をやれば、もっと効率よくできると思いますが、攻略法が変わるわけではないのでやりたいとは思いません。動画サイトも確認しましたが、基本は同じような動きしてました。

遊びやすいという点についても、確かに導線づくりや調整だけ見れば遊びやすいです。ですが、クラシックなSRPGを期待して始めた人からすると、お世辞にも遊びやすいとは言えないと思いました。
このゲームは作者の想定を超えると簡単です。ですが、想定以下の動きをすると、途端に難易度が跳ね上がります。SRPGに不慣れな人や、高難易度をあまりやらないような人は、想定以下の動きになることがほとんどなので、そういう人ほど理不尽さを感じやすいと思います。低難易度は知りませんが、余裕がないマップが多く、攻略中に休む暇がないのでかなり疲れます。
行動ルーチンの把握やそれを利用した誘導が必要な場面がいくつかありましたが、メタ読みも必要になってくるので使っていて面白いギミックではありませんでした。作者としてはギミック解いてもらいたいのだと思いますが、慣れていない人にそれを求めるの酷です。ノーマル以下でノーリセ余裕、ハードで少し考えるくらいならクラシックで遊びやすいの条件満たせそうですが、感想見てる限りそうじゃないんだろうと思ってます。

レビューの評価を見ていると賛否分かれていますが、どちらの意見もその通りで、プレイヤー層毎の感想がそのまま出ているように感じます。作者の調整が理解できる人には良くできたSRPGで、理解できないと理不尽に感じる調整がされた結果だと思います。思っていることがほとんど全て書かれてるので、かなり信ぴょう性が高いと思いました。

あと、31章は普通に長い部類なので、無難に作るなら20~25章くらいがいいと思います。

ここからは各項目について感じたことを適当に書いていきます。

各マップについて

一番難しかったのは25章でした。それまで使ってこなかった誘導させられるのと、進軍に余裕がないのが相まって難易度は高かったです。敵それぞれがギミック持ちで、同時に動き過ぎなので、順番に対応させるか、一旦落ち着くターンが欲しかったです。

何ターン目から動くみたいな条件付きの敵がいるマップは群を抜いて簡単なマップが多かったです。覚えているのだと、16?章、26章、30章、31章辺りです。序盤無理して先回りしてしまえば、動かない敵に対して対応が容易で気楽に攻略できました。通常プレイとしては想定外の攻略になっている実感があったので、ゲームをやっていて一番楽しめていた瞬間はここでした。

裏マップについては、少し変わったギミックがあるマップでしたが、普通のマップと変わらないので、25章以外は裏って付けたいだけのマップになっていた気がします。ステータス通りの戦闘しかないので、参考にされているReinPhazerみたいな緩急は全く感じませんでした。オマージュマップを見かけましたが、難しさや面白さが削られているので参考にしているのは分かっても、同じような楽しさはなかったです。

各章のボスについては、どのボスも倒し方や使うキャラがほぼ同じで単調でした。10章くらいで兎も触れていましたが、無理やり難易度を上げるために激昂に頼り過ぎだと思います。その後も効果が少し変わっただけで、毎回同じようなスキル(効果が違う激昂)を持っているだけなので変わり映えしませんでした。正直、激昂ですら10章前後で出すくらいが妥当だと思います。

このゲームに限った話ではないですが、高難易度にやたらと時間制限をかける調整はあまり好きではないです。そういうマップであればギミックとして受け入れますが、それが分かることで難易度が下がることと、やれることが限定されるので戦略の幅が狭まるからです。
基本的に1~2ターンくらいは余裕をもって作られているので、それをもとに計算するとだいたい攻略までの道筋が分かります。最初に確認してしまえばあとはその通りに進むだけで苦戦することがなく、言ってしまえば準備の段階でクリアできている状態になります。それが続くと戦闘を開始するのが面倒に感じてくるようになり飽きてきます。
時間制限付きでも、マップを見ただけでは手順が分からない方が自分は好みで、状況の変化に応じて判断を求められる方がやりごたえがあって楽しいです。
このゲームの場合は、想定通りの変化しか起きないため、判断が必要になることが少なく、うまく進められた達成感よりなるようになっただけという虚無感の方が強かったです。

経験値について

想定以上のレベルにしないための制限がかなりきつかったです。効率よくレベルを上げるのも楽しみにしていますが、そこら辺が縛られているせいで、ひたすら調整された通りに攻略する作業になってました。プレイヤー側に制限かけすぎなので、レベル周りはもう少し緩くていいと思います。得意なマップ、苦手なマップは人それぞれなので、苦手なマップに向けた保険的なものが欲しかったです。
この後に続く2つに関しても、だいたいこれが原因でした。

主力になるキャラがだいたい決まっており、均等に上げていると明らかに主力キャラのレベルが足りていないときありました。杖以外は想定レベル下回ったことはないので、攻略中にレベルを上げる想定の調整だと思いましたが、速さや耐久のラインは少しくらい余裕を見てほしかったです。提示された推奨レベルを下回っていないにもかかわらず、ステータスが足りなくなるのは調整不足に感じました。マップ内でレベルを上げればいいだけなので支障はありませんでしたが、いい調整ではなかったです。主力とそれ以外では使用頻度に差があるので、余裕あるときは使いにくいキャラを育てたいですし、固定成長の能力アップを先読みするのとかはあまりやりたくないです。

杖キャラの推奨レベルが他より高めになっていましたが、杖をよく使うとはいえ、もう少し他と近くなるようにしてほしかったです。特に序盤は、杖のコスパが死ぬほど悪いので使わないようにしていたら、5レベルくらい置いていかれて焦りました。優先的に杖を使って追いつかせましたが、資金繰りが厳しくなるのでやりたくはなかったです。
これに付随して、薬草3つ100Gに対して杖25回が1000は高すぎると思います。薬草が安すぎるのもありますが、1000Gなら最低30回は使いたかったです。慣れていない人ほど杖の消費が増えて出費がかさみやすいので、遊びやすさ考えるならそこら辺も意識して欲しいです。慣れている自分の視点だと、効率の良いプレイを要求してくる割に、金食い虫な杖キャラの推奨レベルがやたらと高いのが気になりました。

味方のスキルについて

味方のスキルがパッとしないものばかりで、使う場所も大体同じ(ほぼボス戦)なので、爽快感がなく面白さはあまりなかったです。影響を受けているReinPhazerでは、それぞれのスキルがかなり強力で、切りどころもプレイヤーに委ねられていたため、使った時の爽快感や楽しさはかなりのものでした。あっちがプレイヤーに配られた切り札だとすると、こっちのスキルはただのピースで、決められた場所に置くだけなので、考える楽しみはなかったです。使い勝手の悪いスキルもいくつかあり、いつ使うのが妥当なのか分かりにくいため持て余すことも多かったです。

攻略法について

全体的に緩急がなく、常に苦しい状況が続くため、プレイしていてかなり疲れます。高難易度だからと言って余裕をなくせばいいわけではないので、ある程度の緩急つけたマップ作りをしてほしいです。
特に顕著だった例として、1ターン目からプレイヤーを圧迫するタイプのマップがいくつかありました。しかも、そのまま落ち着く暇もなくボスまで一直線なので、終わるのは一瞬ですが休みがないので疲れます。行動に余裕がないことも多いため、先を読んで配置できる人ならいいですが、先を読むのが苦手な人は辛いと思います。休憩場所を作るか、処理する敵の数に余裕を持たせるなどして、プレイヤーに落ち着く暇を与えてほしいです。ノーマルの説明に落ち着いて動けばクリアできるといったことが書いてありますが、レビューを見る限りそもそも落ち着けていないと思います。
序盤でうまく動けると、あとは考えることなく流れで攻略できてしまうので、もう少し緩急をつけて落ち着いて考えさせてほしかったです。そうするしかないの連続だったので、自分の場合は調整に振り回されるか、調整の上をいって苦労せずに攻略するかの二択でした。全体的に簡単だったのもそれが理由です。

自分が好きじゃないポイントとして、ボス戦でやたらと囲ませたがるところがあります。作者は握手会みたいなのが好きじゃないようですが、動くボスを囲むのも似たようなものだと思ってるので、あまりに多用しすぎて嫌気がさしてました。握手会もボス囲みも戦略の一つなので、それ自体は悪くないと思っていますが、遅延スキルと組み合わせて毎回やらされるとうんざりします。プレイヤーが自発的に使っていると技術として評価できますが、ゲームに使わされると面倒なだけです。ラスボスもそうでしたが、無敵や防御で遅延を入れるくらいなら、純粋な火力で真っ向勝負してくれた方がましでした。ボス囲みをする場合、2ターン以上遅延させるのは尺伸ばしでしかないので、終盤で多用されているのもきつかったです。ラスボスのあれもギミック自体は面白かったですが、もっとうまくまとめられたと思います。
作者が特定のマップ攻略へのコメントで、囲めば楽なのにと言っているのを見かけましたが、何度も要求してくるのは違うと思います。

行動ルーチンの把握をしていないと誘導などが難しい場所があり、理解していればスキルを活用して突破できますが、理解していないと正解に気づけないところがありました。防御系のスキルを使った場合がまさにそれで、敵は基本ステータスの方を参照してくるので、理解していれば誘導は簡単です。それが分かっていないと、他に流れるを考慮しないといけなくなるため、素直に正解にたどり着けない場合があると思います。ゲーム内で説明されていることではなく、その仕様を理解できているかで難易度が大きく変わるので、あまりフェアなつくりではないと思いました。

レビューに捨て駒前提と書かれている人がいましたが、手順が足りていないとそうなるので、理解できる側からすると余裕を持たせたいい調整に見えますが、その方法しか考えつかない側からすると理不尽でしかないです。説明されていない仕様を理解したり、それを活用するのは慣れている人でもあまりやらないので、細かく調整しすぎるのも問題だと思います。

戦闘について

運要素に頼った攻略をされたくないせいか、プレイヤー側に制限をかけすぎだと思いました。そのくせ、敵側はやりたい放題なので、対等な勝負をしている感じがありませんでした。

回避というものがほとんど機能していなかったので、マップ全体を通してノーガードの殴り合いになることが多く、単調な攻略になる原因になっていたと思います。たまに地形活用をするマップもありましたが、SRPGなので、地形や武器相性を活用して回避する選択肢も与えてほしかったです。武器の種類もそうですが、選択肢の少なさは単調さにつながるので、難しくしたいからと言って縛りすぎるのも考え物だと思います。特に終盤は平たんなマップが多く、活用できるような地形もないので、道なりの攻略をするだけでした。

作者曰く、当たるときは当たるし、外れるときは外れるとのことですが、その考えで出来るバランスのゲームではないです。それを言っていいのはリカバリーが出来る前提あってのことで、このゲームにその余裕はほとんどありません。常にセーブできるので、乱数をずらして何とかすることもできますが、普通に攻略しているときに積極的に使いたくはありません。戦力もかつかつで、1つのミスが戦局に大きな穴をあけることになるので、安定させるためにミスなく調整せざるを得ない感じでした。普通のSRPGでは、乱数によるミスも考慮し、無用なロードは避けてリカバリーも含めて進めるようにしていますが、このゲームでは都合の悪い結果になったときのリスクが大きすぎるため、都合の良い結果で進めることしかできなかったです。

味方の必殺がほとんど出ないことも残念でした。敵のネームドはスキルや武器で確定必殺を出してくるのに、味方側はまともに必殺が出せたためしがないです。何らかの手段で封じられたりしているため、確率自体が0%なことがほとんどで、想定通りの結果にしかなりません。SRPGの必殺は単調な戦闘のアクセントみたいなものなので、調整の邪魔だからといって制限されると面白みがなくなります。敵の必殺を避けるのは当然ですが、味方の必殺は攻略に余裕を作る効果もあるので多少は残してほしかったです。

装備の差は敵も大した武器持っていないので、気にしていないですが、最後まで汎用武器を使い続けただけだったので、面白さはなかったです。
関連して、資金については最終的には結構余りました。最後は無駄にいい回復道具を買って使い切りましたが、回復に困らなくなったので、終盤やたら楽に感じたのもそのせいなきがします。一番お金のかかる杖は、先が見えないと使い渋りがちなので、もう少し使いやすくしてほしかったです。
武器もかなり余ったので、もう少しいい武器を多めに買っても良かったです。稀に性能が少し良い武器を入手することがありましたが、使いどころがなかったので1、2回使って最後まで持て余してました。
普段であれば安定をとるために使ったりしていたと思いますが、当てないと話にならないため、とりあえず命中難な方を振ってみてから考えていたからだと思います。

まだ書けることはありそうですが、自分の評価はだいたいこんな感じです。
良くも悪くもレビュー通りなので、詳しく書きたかった部分だけ書きました。
☆4~☆3と言いつつかなり酷評していますが、出来自体は悪くなかったのでそういう評価にしています。参考として、クリアしたときに周回したくなる作品は☆5つけると思います。
良かった部分は、レビューで他の人が言っていること以上のものはないのでこうなりました。

説明が丁寧でプレイヤー想いと見せかけて、想定の押し付けが激しいというのが自分の評価です。
クラシックなSRPGのような自由度も少なく、決められたとおりに進んでいくため、調整不足ではないが面白さもあまり感じない作品でした。
途中でやめる人が多いみたいですが、難易度で挫折する人や単純に途中で飽きる人が多いんだろうなと思います。自分は途中で飽きたパターンで、先が気になることもなく、最後までこれが続くの面倒だなと思ってやらなくなりました。